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「誕生日」
タイトル

いくつになっても特別な日。
感謝と祝福を伝えたい。


「びっくりしたわよ、ありがとうね」
日曜の朝、遠くに住む母から電話がきた。
このたび還暦を迎える母へ、
お祝いに赤い花を60本と、お菓子を贈ったのだ。
電話口の声が元気そうで安心する。

イメージいつもの近況報告からはじまり、しゃべること30分。
秋田は雪の量がすごいとか、
ヒヤシンスの芽が大きくなってきたとか、
そんな話が続いて、私は核心をなかなか切り出せない。
いちばんに伝えたいのは、
感謝と祝福の言葉なのに。

最近とみに、親のありがたさが身にしみてわかる。
実家を出て、離れた土地で暮らし、
自分も親になり初めて気づくというのも
情けないけれど、
























これまでどれだけ苦労をかけてきたのかと思うと、
もう感謝の言葉しか出てこない。
「これからも元気でいてね。
…まだまだ頼りにしてるからさ」
本当は冗談抜きで伝えたかったけれど、
60回目となるとこれまでの誕生日とは違う気がして、
のどがぐっと詰まってしまった。
「何言ってるの、今でも若いつもりよ」
涙もろい私に母は苦笑している。
娘が電話を代わり、
「ケーキにろうそく60本なの? いいなぁ」と
子どもらしいことを言って、電話は終わった。
なんだか救われた気持ちになり、娘の頭をなでる。

離れていても、いつも母は私の心のなかにいる。
この先も、ずっと笑顔でいてほしい大切な存在。
体調にだけは気をつけてと、こころより願っている。

 

kei

贈り方のヒント………
還暦祝いには、ご家族で旅行や食事に行ったりすることが多いようです。帰宅後のお茶の時間には、家族みんなが好むお菓子を用意して、記念日を語りあうひとときを。
長く使ってもらえそうなもの、その方の趣味のもの…など、プレゼント選びもさまざまですが、思いきって大きなバースデーケーキというのも一手。大人になってからのケーキも、思いでふかいものとなるでしょう。

■写真は…千里同風(左上)豆乳サブレ(右上)焙煎五穀サブレ(左下)一口パイ)